<第8回>タイプ別!難しい受講者への対応
講受講者にはさまざまな人がおり、常に「この対応をすればよい」という
ルールがないのが講師業の難しところではあります。
『実践 講師・インストラクター入門』という本には、受講者のタイプ
分けが載っています。必ずしも型に当てはまるわけではありませんが、
参考にはなるでしょう。対応方法に関しては、私見もまじえてご紹介
したいと思います。
●積極型
少しでも多くを学びたい、仕事に役立つ情報を得たい、という積極的な
タイプです。受講者が皆こういう人たちならば何の問題もないのですが。
逆に、ひとりが積極的すぎて、周りが引いてしまっている状態が生まれる
可能性があるので、周りの人とのバランスをよく見ることが大切です。
●あいまい型
周囲の雰囲気に左右されがちな人で、自分の意見を出すことを遠慮したり、
自分の頭で考えることを避けがち。最近の若手社員に多い傾向かもしれ
ません。個別に指名をしたり、発表役に指名をすることで積極的に参加
してもらうきっかけを作ります。
●参加不満型
参加そのものについて不満を抱いているタイプ。腕組みをしたり、
否定的発言をあえて行ったりするため周囲への影響も大きい。
不満の原因を探り出すことが先決ですが、研修中に行うことは難しい
ため、休み時間などを使って話しかけてみること。また、研修実施に
至るまでのプロセスを担当者と事前にすりあわせておくことが予防
につながります。
●職場不安型
研修で職場を離れるのが不安だったり、仕事が気になって仕方がない
タイプ。営業やシステム系の仕事をしている現場リーダーに多く見られます。
彼らに対しては、研修に集中することが現場での成果につながることを
意識づけすることが必要。場合によっては携帯電話や手帳などを使わせ
ないルールを決めることも効果的です。
●自信過剰型
自分は他の人よりもできる、講師から教わることは何もない、と思って
いるタイプ。実際によく知っていることも多いので、研修においての
リソースになってもらう(実際のケースなどを話してもらうなど)と
いう手もあります。また、あまりに周囲に影響がある場合には、
厳しいフィードバックを行うことも必要。
●無気力型
研修に参加する意義がわからず、やる気が感じられないタイプ。
うわの空になっていたり、ワークに積極的に参加しないことがある。
最初の段階で「なぜあなたなのか」というポイントをしっかりと伝えて
おくことが必要。会社に失望している場合などは、個人としてのその人
にどのようなメリットがあるのかを伝えることが機能する場合もあります。
また、役割を振ったり、指名するなどして巻き込んでいくこともできる
でしょう。
<参考>
「実践 講師・インストラクター入門」
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